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現役助産師の相談窓口。

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  • 母乳のお話 1
    Q.母乳の方が、ミルクよりいいですか?
    A. 母乳は、赤ちゃんにとって最適な栄養源です。 ネットや様々な文献をみても、母乳の利点については数多くの事が書かれています。 いまや、母乳は科学的に研究され、赤ちゃんだけでなく、人間のヘルスケアに幅広く活用されています。 でも、母乳をあげたくてもあげることができなかった。 思うように母乳がでなかった、母乳だけになると、授乳が辛かった。 そんな事もあると思います。 私自身は、もちろん母乳を推奨しますが、 足りなかったり、すごく疲れたり、そんな時は、ミルクに頼ってくださいと言っています。 日本のミルク会社さん達も、ものすごく研究しています。

  • 母乳のお話 2
    Q.母乳は、赤ちゃんにとって最適な栄養源なのか?
    A. 母乳には、免疫物質、ホルモン、消化酵素、成長因子、タンパク質、脂肪、その他にも様々な栄養素が含まれています。 もちろん、ウイルスや細菌も含まれていることがありますので、妊娠中に、ママは検査で感染症のチェックをしています。 よく、ママたちに聞かれるのが、免疫物質について。 特に、初乳と言われる、生後数日の母乳に多く含まれています。 赤ちゃんはママのお腹の中にいる時に、病気に対する免疫(抵抗力)をもらって産まれてきます。この免疫は、産まれてから徐々に減っていき、自分で免疫を獲得していくまでは、母乳で免疫を補っていくのです。 また、赤ちゃんを守ってくれる母乳の物質は、様々な臓器に働きかけることで、感染症やアレルギー発症の予防効果があると考えられています。腸では、善い腸内細菌を作り、腸の健康が、脳の発達に影響を及ぼすという研究結果もでています。 母乳だけでは守りきれない感染症もありますので、予防接種など、赤ちゃんの時期に応じた感染予防は、地域の保健師さんや小児科の先生に相談をしてみましょう。

  • 母乳のお話 3
    Q.母乳がでる仕組みをわかりやすく教えてほしいです。
    A. 思うように母乳が出てこない、赤ちゃんがずっと泣いていて、母乳が足りないのかな。 そう思っているママ達も多いと思います。 まずは、母乳がでる仕組みから、お話をさせてください。 母乳は、乳房にある乳腺と呼ばれる組織の中で、ママの血液から作られます。 赤ちゃんが産まれて胎盤がはがれると、母乳が産生され始めるシステムになっていて、 プロラクチンというホルモンが深く関係しています。 プロラクチンは、授乳をしないと数日〜数週間で、妊娠前のレベルに戻ってしまいます。 ですので、赤ちゃんが産まれたら、まだ母乳が出ていなくても、授乳を開始することが大切です。 プロラクチンは授乳をする事で上昇し、3時間ほどで下がってしまいます。 生後1週間ほどは、あまり時間を空けずに(3〜4時間以内で)授乳をすることで、血液中のプロラクチンが高くなり、これを効率的に使用するための受容体の数も増え、母乳がよくでるようになるのです。 お産後に、赤ちゃんと離れ離れで過ごさないといけない場合は、乳頭(乳首)を刺激したり、搾乳をする事でもホルモン値をあげることができます。 1週間を過ぎた頃からは、母乳は、必要な分を作ろうとするようなシステムに変わってきます。赤ちゃんが飲む分作って、飲まなかったり、授乳をしなければ、自分で分泌を抑制しようとします。 生後1ヶ月くらいかけて母乳の量は増えてきますので、ママも眠れなくてきついとは思いますが、できるだけ、母乳を飲ませてあげてください。そうすると、必要な分、母乳は作られるようになってきます。

  • 母乳のお話 4
    Q.どうやったら、母乳がでるようになりますか?
    A. 母乳がよくでるようになる、ハーブティー、食事、マッサージ。 様々な事を耳にすると思います。 私がお勧めしているのは ①分泌を促すホルモン(プロラクチン・オキシトシン)を出やすくする。 ・とにかく、赤ちゃんによく飲んでもらう ・授乳の前に、温かくしたタオルなどで、おっぱい全体を温める。 ・授乳の前や授乳をしているときに、おっぱいをマッサージする(ほぐす)。 ・ストレスを和らげる環境を作る。 ②食べ物・飲み物 「これを食べたら、おっぱいがよくでるようになる!」 という食べ物や飲み物があれば、オススメしたいですが、残念ながら確実なものはありません。 基本的には、母乳は血液からできており、乳房の血液循環をよくすることで、母乳の産生も増加します。ですので、母乳がよくでるようになると言われているハーブティーや食べ物は、身体の中の血液の流れを良くしてくれるものです。 私たちは、祖先から受け継いだ消化酵素をもっていて、地のものを食べて、消化吸収し、身体を構成しています。私はよく、土の下で育つ野菜(根菜類)を、お味噌汁にたっぷりといれて、摂ることをお勧めしています。 ③マッサージ 日本では、昔から、おっぱいをマッサージすることが主流となっています。 〇〇式、〇〇流など、様々なマッサージ法があります。現に「マッサージを受けると、母乳がよくでるようになる」事はよくあります。 困ったら、近くの助産師さんにマッサージを受けるのも、一つの手でしょう。基本的には、乳房の循環を良くして、分泌を促す事を目的としているため、固く締め付けられるようなブラジャーを外して、動いていれば、自然にマッサージになっているものです。

  • 母乳のお話 5
    Q.「おっぱいは、どれくらいの時間吸わせていたらいいですか?」
    A. おっぱいの時間は、ママと赤ちゃんにとって、とても大切な時間です。 赤ちゃんが満足するまで、好きなだけ、吸わせてください。 このように返答したいものですが、ママの時間も限られています。 乳首も吸われすぎて痛くなってくる事もあります。 母乳外来をしていると、ママ達から、 ・左右5分ずつ吸わせて、まだ飲みそうだったらまた5分ずつ吸わせるように言われました ・30分も吸わせているのは母乳が足りないとからだと言われました という意見をよく耳にします。 専門家の意見、ネットにも様々な事が書いてあります。 時代がそうさせるのか、スマホの時計やタイマーと睨めっこしながら、授乳をしているママをよく見かけます。 ママと赤ちゃんの状態によって違うので、何分吸わせるのが正解という事はありません。 赤ちゃんも、サクッと飲んでしまうこともあれば、ママに甘えながら、ゆっくりと飲んでいる時もあります。 できれば、時計と睨めっこするのではなく、赤ちゃんの様子を見ながら、 「休憩が多くなってきたな」「満足そうな顔になってきたな」を終了の合図にしてもらえればなと思います。 休む暇なく授乳をしていて、赤ちゃんが全く寝ない、おしっこやウンチが少ないなどがあれば、赤ちゃんは必要な量の母乳を飲めていない可能性もありますので、専門家に相談してみましょう。

  • 母乳のお話 6
    Q.「赤ちゃんが、片方のおっぱいを飲んだら寝てしまうのですが、どうしたらいいですか?」
    A. 「片方のおっぱいを赤ちゃんが満足するまであげていると、もう片方を飲まないで寝てしまうことがあります。片方のおっぱいで満足する前に、反対側のおっぱいにかえましょう。」 病院や、地域の保健師さんから、このように言われるママは多いと思います。 私は、これを「授乳5分説」と呼んでいます。 実際に、おっぱいから直接母乳を飲むためには、哺乳瓶を使用して飲むよりも7〜8倍の力がいると言われています。 ですので、赤ちゃんは、哺乳瓶のように一気飲みをせずに、片方のおっぱいで力尽きて寝てしまい、だけどすぐにお腹が空いて、1時間経たずに起きて、また欲しがります。 特に、生後1ヶ月くらいまでは、胃袋も小さく、哺乳力も十分ではなく、ありがちな事です。 「では、どうしたらいいですか?」 片方ずつでいいんです。 実は、母乳は、最初に出てくる母乳(前乳)と最後の方に出てくる母乳(後乳)では、成分が違います。 後乳には、脂肪成分が多く含まれており、母乳中の脂肪は、赤ちゃんの摂取カロリーの半分を占めています。また、脂肪成分の中には、必須脂肪酸や脂溶性ビタミンなど、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素が含まれていますので、できれば、最後の後乳まで、しっかりと授乳してあげてください。 片方のおっぱいを飲んでいて、休憩が多くなってきたり、赤ちゃんの目が眠そうになってきたりしたら、そっと乳首を外して、飲みそうであれば、もう片方のおっぱいを飲ませましょう。飲まない場合は、次の授乳で飲んでいない方からあげましょう。 おっぱいがとても張っている時期では、片方だけの授乳だと、もう片方のおっぱいが張って辛い場合があります。痛くて辛い時は、少量だけ搾乳をして、痛みをとるようにしましょう。搾りすぎると、また張ってきますので、少し軽くなる程度でやめておきましょう。 こまめに授乳をするのも大変だとは思いますが、赤ちゃんの成長とともに、胃袋も大きくなり、哺乳力も増してきます。それまでは、まわりの方の力も借りながら、授乳を続けていただけたらなと思います。

  • 母乳のお話 7
    Q.「母乳だけだと、ミルクを飲まなくなりますか?」
    A. ・母乳だけを飲ませていて、健診の時に、ミルクを足してくださいと言われたけど、 哺乳瓶でミルクをあげようとすると全然飲まない。 ・ミルクを飲まないから、赤ちゃんを預けることができなくて、苦労した。 こういった理由で、混合栄養を希望するママ達も多いです。 いつも、フレッシュな母乳を飲んでいたのに、突然、味が違うミルクを、 しかも、いつものママのおっぱいからではなく、哺乳瓶で差し出されると、 赤ちゃんは少なからず混乱します。泣き叫んで、拒む赤ちゃんもいます。 中には、何でも大丈夫!って赤ちゃんもいます。 赤ちゃんをどうしても預けないといけない予定がある時や、保育園に預ける時期が近づいて来た時には、少しずつ、月齢にあった哺乳瓶またはベビーマグなどを使って、ミルクまたは搾乳をあげてみましょう。なかなか飲まない時は、コップやスプーンで少量ずつ与えてみましょう。 実際に、母乳は足りているけれど、哺乳瓶に慣れさせるために1日1回はミルクを足したい、というママは多いです。でも、実際には、1日1回ミルクを作るのが面倒だったり、ミルクを飲ませて授乳間隔が空くと、おっぱいが張って辛かったという意見も聞きます。 私としては、ママの大変さも分かりますが、ミルクは、必要であれば、必要な時に足すようになると、いっぱい母乳が飲めるのになと思っています。

古澤 真理 フルサワ マリ

  • プロフィール
    福岡県出身。
    子供の頃、父親が長期入院をしたことで看護師を志し、看護実習や従姉妹の姉の影響で助産師への道を選びました。 助産師の免許取得後、福岡の大学病院でNICU(新生児集中治療室)勤務となり、ママと赤ちゃんを繋ぐ母乳の役割に興味をもちました。 その後、産科へ異動し、母乳がママや赤ちゃんにもたらす影響について研究し、益々、母乳についての興味が湧き、2018年にIBCLC(国際認定ラクテーションコンサルタント)の資格を取得しました。 5年前から、東京の病院で助産師として勤務し、日々、ママと赤ちゃん、そのご家族に関わっています。

    2005年 助産師免許取得 福岡大学病院 NICU勤務
    2006年 福岡大学病院 総合周産期母子医療センター 産科部門勤務
    2009年 退職しカナダにワーキングホリデー
    2010年 福井産婦人科(3ヶ月)その後、福岡大学病院勤務
    2014年 昭和大学江東豊洲病院 周産期センター勤務
    2017年 アドバンス助産師認定
    2018年 IBCLC取得